REST APIRepresentational State Transfer Application Programming Interface)は、HTTP リクエストで「Webサービス」の作成に使用され、クライアントとサーバーのアプリケーション間でデータを提供します。そこで本記事では、REST API の基礎をいくつか押さえ、Python を使って基本的な API を作るところまでご説明します。

以下は、本記事の主なポイント5点です:

  1. REST API の基本:REST APIとは「Representational State Transfer Application Programming Interfaces」の略で、HTTPリクエストを使ってインターネット上でクライアントとサーバーアプリケーション間の通信を可能にする重要なものである。
  2. Python の役割:Python は、そのシンプルさ、豊富なライブラリ、JSON や XML のようなデータフォーマットのサポートから、REST API 開発に最適な選択肢であり、初心者にも経験豊富なプログラマーにも理想的である。
  3. REST API の利点: REST API には、迅速な開発、プラットフォーム非依存性、スケーラビリティ、効率的なデータ処理などの利点がいくつかあり、最新の Web やアプリ開発でよく使われる選択肢となっている。
  4. Python を使った REST API の作成: 本記事では、Python、特に Flask フレームワークを使って REST API を構築するための実践的なガイドが提供され、さまざまな HTTP リクエスト タイプの処理などの重要な側面がカバーされている。
  5. 実際のアプリケーション:REST API は汎用性が高く、様々なプラットフォームに統合できるため、BI(ビジネスインテリジェンス)やデータ分析を強化することができる。そして Integrate.io のようなツールは、より広範なアプリケーションのための RESTful API との接続を支援することができる。

目次

はじめに

接続されたアプリケーションとユビキタスデータの時代には、システム間の情報の流れを理解することがこれまで以上に重要になります。そしてこのデジタル環境における強力なツールの1つが REST API であり、多様なアプリケーションやプラットフォーム間のシームレスな通信を可能にするプログラミング・インターフェースです。REST API をマスターすることで、ダイナミックな Web アプリケーションの構築、タスクの自動化、さまざまなソースからのデータの統合への扉が開かれるのです。

本記事では、REST API のわくわくするような世界と、汎用的で初心者に優しい言語である Python を使った実装のガイドをお届けします。RESTful アーキテクチャの基礎を掘り下げ、そこにある利点を探り、Python を使って独自のシンプルな API を構築するための知識とツールを提供し、経験豊富デベロッパーでも、コーディングを始めたばかりでも、本記事が有益で力強いものになることを保証します。

API とは

API( Application Programming Interface)は、ソフトウェアのアプリケーションを構築して相互作用するためのルールとプロトコルのセットであり、さまざまなソフトウェアプログラム間の橋渡しの役割を果たすことから、相互の通信を可能にします。

Rest API を使う理由

REST API は、他の方法に比べて多くの利点があるため、急速にアプリケーション間の通信の標準になりつつあります。その利点の1つに、REST API は通常 URL 経由でアクセスされることで、インターネットに接続できる場所であればどこからでも簡単に覚えてリクエストを送ることができるという点があります。また、データへのアクセス方法を気にすることなくアクセスでき、その際は欲しい情報と、それが保管されているサーバーサイドの場所しか必要でないという点も挙げられます。REST API は、ユビキタスな TCP/IP プロトコルの上に構築され、それによって複数のプラットフォームでの互換性が保証されることから好まれるのです。

Python とは

Python は、サッと効率的に作業できるプログラミング言語です。1991年に作られたオープンソースのオブジェクト指向プログラミング言語であり、最も古い言語の1つです。また、その優れたドキュメント、活発なコミュニティサポート、使いやすさから、ここ数年でますます人気が高まっています。

Pythonで Rest API を学ぶ理由

REST API を書く方法は、Ruby(Railsに組み込まれた Web サービスを使う)やPHP、Java などたくさんありますが、Python を使って作る方法を学べば、Web ページからデスクトップアプリケーションまでどこでも使えるのでオススメです。また、JSON と XML も Python ではネイティブに対応しており、それでデータ転送がさらに高速になります。

Python が Rest API の開発に適した言語である理由

なぜ Python が REST API 開発に最適なのかを深く掘り下げるために、その特徴を考えてみましょう: Python の構文は明確で簡潔であるため、開発時間が短縮され、初心者でも経験豊富なプログラマーでもアクセスしやすくなります。また、Flask や Django REST フレームワークのような豊富なライブラリは、効率的な API 開発を促進し、さらに、JSON や XML のようなデータ形式のシリアライズとデシリアライズへの Python の 強力なサポートは、REST APIの機能にとって欠かせません。

これは、Python には、経験豊富な人たちによって Python 学習がサポートされる優れたコミュニティ基盤があるということであり、C++などの他言語のように複雑なルールがないので、初心者でもコードを書きやすいです。つまり、難しい構文を気にするよりも、言語そのものを学ぶことに集中できるということです。

Python でシンプルな Rest API を作成する方法

Python はオブジェクト指向プログラミング言語であり、オブジェクトの作成を中心にデザインされています。なので 大体 Python のプログラムは、多くの小さなモジュールで構成され、それらが相互に作用してプログラム全体を形成します。それで、デベロッパーはコードを読んだり保全したり、必要であれば別の部分を独立して作業するといったことがしやすくなります。- そして技術者でなくても貢献できる分野もあります。

REST API では、クライアントアプリケーションとサーバーサイドソフトウェア間の通信に Web サービスが使われます。

そして Web サービスは、以下の3つの主要コンポーネントから構成されています:

  • URL アドレス指定可能リソース
  • URI(統一資源識別子)
  • HTTPS(ハイパーテキスト転送プロトコル)

1.URLアドレス指定可能リソース:URL はどれも似たようなパターンに従っており、そのリソースのリクエストのタイプとパスを特定します(例:GET /user/list )。そしてこの情報は、正規表現を使って「URLs」という別のファイルに保存されます。

2.URI(統一資源識別子): GET、POST、または DELETE リクエストのような特定の Webサービスエンドポイントを、それぞれのパス ( GET /webservice/getUserList ) やボディ ( POST /webservice ) とともに識別するために使われます。これは、各リクエストをどのように処理するかをプログラムが正確に把握するのに必要です。

3.HTTPS(ハイパーテキスト転送プロトコル):サーバーとクライアント間のリクエスト送信方法です。

Python でシンプルな REST API を作ることを説明するために、書籍のデータベースを管理する API を開発する基本的な例を考えてみましょう。軽量な Web フレームワークである Flask を使って、本のレコードを追加、取得、更新、削除するためのエンドポイントを設定することができます。以下は、Flask で GET リクエストがどのように処理されるかのスニペットです:

from flask import Flask, jsonify

app = Flask(__name__)
books = [{'id': 1, 'title': 'Python Essentials', 'author': 'Jane Doe'}]

@app.route('/books', methods=['GET'])
def get_books():
    return jsonify({'books': books})

if __name__ == '__main__':
    app.run(debug=True)

このコードで、書籍のリストを取得するシンプルな API が作成されます。

Rest API を使うメリット

REST API の使用には、以下のように多くの利点があります:

  • 開発期間の短縮: REST API は、デバイス間の既存のプロトコルやフォーマットを利用するため、他のソフトウェアよりも大体開発スピードが速い。
    プラットフォームの独立性: Web サービスを使用するアプリは、特定のプラットフォームやテクノロジーに限定されないため、モバイルアプリケーション、Web サイト、デスクトッププログラムなど、あらゆるものに簡単に実装できる。また、互換性の問題を心配することなく、新しいプロジェクトを作成する際にコードを簡単に再利用することができる。
  • スケーラビリティ: 例えば Web ブラウザとモバイルなど、さまざまなプラットフォームにプログラムを拡張したい場合、全デバイスで TCP/IP に基づくインターネット・プロトコルが使われているため、RESTful のデザインシステムを使えば拡張しやすくなる。つまり、デベロッパーは、このようなルールに従っている限り、通信の仕組みについて心配する必要はないということである。また、新しい機能の追加や既存の機能の変更をすることによって、既存のコードを壊さずに変更を加えることもできる。
  • スピード: スケーラビリティのもうひとつの理由は、リクエストの処理の速さにある。また、(SOAP の場合のように)追加コールを行う前にデータを全て受信するまで待つ必要がないことから、より早いレスポンスが実現することでパフォーマンスが劇的に上がり、それが処理能力と時間の両方の節約になる。また、1つのレスポンスで複数のソースからのクエリが可能になり、何かが正しく保存されていなかったり、正しく更新されていなかったりしても、元々表示されるはずだったものが表示される。

Rest API コールとは

REST API コールは、アプリケーションがプログラムと通信する方法であることから、API を自分で作成する前に、API がどのようなもので、それを自分の目的にどのように使えるかを理解することが非常に重要です。上述したように、REST API は「URLアドレス指定可能リソース」、「URI(統一資源識別子)」、そして「HTTPS(ハイパーテキスト転送プロトコル)」という3つの主要なコンポーネントから構成されるため、呼び出しを行う際には、「GET」、「POST」、「PUT」 リクエストのどれを使うかによって、各リクエストはこのパターンのいずれかに従わないといけません。

GET リクエスト

これは、プログラムが読み込んで使用できる形式で、要求されたリソースを返します。URL にはいくつでも項目が含まれる可能性があるため、URL のどの部分でこれを識別するかを必ず指定する必要があります(例:GET /user/list )。

PUT リクエスト

GET リクエストと同じですが、データを返すのではなく、指定したリソースを更新します(例:PUT /user/address )。

POST リクエスト

POST は主に、Web サービスのエンドポイント(Web サービス)への情報の追加や更新のために使われ、単にリソースを「読み込む」のではなく、既存のリソースを「変更する」という点で GET リクエストとは異なることに注意が必要です。(例:POST /web service/getUserList )

DELETE リクエスト

DELETE は、サーバーからデータを削除したい場合に使われ、PUT リクエストと同様に、これも API キーで認証され、Web サービスのエンドポイント(Web サービス)のリソースへの不正アクセスを防ぎます。

Python でシンプルな Rest API を構築する、ステップバイステップ

シンプルな REST API は、以下の基本的なステップで構築できます:

  • ディレクトリを作成する。
  • Flask をダウンロードしてインストールする(ただし、ニーズに合えば他のどのPython の Web フレームワークも使える)。
  • どのようなアクションが実行されたかに基づいて、API から送信されたリクエストを処理する Python コードを書く。これは APIで JSON を通して行われることが多いが、必ずしも必要ではない。
  • リクエストされるアクションごとにエンドポイント URL を作成し、アクセス方法を設定する(例:GET /user/:id )。
  • これを正しく動作させるためにサーバープロセスを開始する - これは、上記の基本的なステップから他がすべて追加または変更された後に、メインプログラムファイルの一部として含める必要がある。また、ここに認証キーについての詳細を追加して、これにアクセスするユーザがどのように自分自身を適切に認証するのかわかるようにすることもできる。

また、目的に応じて REST API を作成する際には、以下の追加も検討するといいかもしれません:

  • API でできることやその方法をみんなが理解できるようにするための、API 全体のドキュメント
  • 何か変更があったときに、古いコードを使うことで発生する問題を懸念することなく、そのの呼び出しを一度に更新できるようにするためのバージョン番号
  • リクエストやアップデートの前に認証を求めることで、Web サービスのエンドポイント(Web サービス)を保護するための、ある種のアクセストークン
  • 料金(レート)の制限は、サブスクリプションによってトークンを購入するまで、ユーザーは特定の量のアクセスのみを許可される。必要であれば、各プランにサブリミットを設けることもでき、さまざまな顧客がニーズに応じてさまざまな使用レベルの料金を支払うことができる。これは、大企業にとっては常に良い習慣だが、これでサーバーが過剰なリクエストによる過負荷にならないような保護にもなる。

Integrate.io  ができること

Integrate.io の Rest API コンポーネントを使うと、あらゆる RESTful API に接続して、さまざまなソースから簡単に情報を引き出すことができます。そして、そのデータを分析、視覚化、または核となるBI システムの一部として使うことができます。データソースをすべて一箇所に統合することで、ビジネスはよりスマートに、より速く成長することができるのです。Integrate.io が自身のビジネスにどのように役立つかをお知りになりたい場合は、こちらのリンクからプラットフォームのデモをぜひご予約ください。