Airflow と Luigi の主な違い5つ:

  1. ユーザビリティ(使いやすさ):Luigi の API は、Airflow の API よりもミニマルであり、新規ユーザーは使いにくいと感じる可能性がある。
  2. スケーラビリティ(拡張性):Airfllow は Luigi よりも拡張しやすい。
  3. 人気:どちらのツールにも忠実なユーザーベースがあるが、Airflow にはより大きなコミュニティがある。
  4. スケジューリング:Airflow にはカレンダーのスケジュール機能はなく、Luigi は、ユーザは 独立してタスクを実行することはできない。
  5. レビュー:Airflow とLuigi のレビューはおおむね好意的であるが、Luigi の「使いやすさ」」のユーザー評価は低い。

新型コロナウィルス感染の世界的大流行のせいでデータ統合ソフトウェアの市場成長が鈍化しているのにも関わらず、信頼性の高いデータ管理ツールの需要は非常に高く、企業には、ますます多様化するシステムや SaaS (サービスとしてのソフトウェア)からのデータへのアクセスや、そのための効果的なツールが必要になっています。Apache Airflow と Luigi は、データパイプライン作成によるワークフロー管理を提供する2つのオプションであり、基本的に、両者ともデータを「A地点」から「B地点」にサッと移動させます。でもどちらがいいのでしょうか? そこで本記事では、Airflow を Luigi を比較して、ベストな ETL ツールはどちらなのか、その差は何なのか、そしてなぜ Integrate.io がデータ統合のためのより良い選択肢なのかを見ていきます。

目次

Airflow と Luigi:特徴と利点

Airflow と Luigi の詳細

機能と利点を比べる前に、両者のワークフローツールを詳しく見てみましょう。Airflow と Luigiは、データ処理という点では同じことをやっているように見えるかもしれませんが、その目的は微妙に違います:

  • Airflow は、旅行宿泊施設のエキスパートである Airbnb によって作成されたワークフロースケジューラで、特に様々なビジネスソースへのデータパイプラインのオーサリング、スケジューリング、モニタリングのために開発された。プログラミング言語の Python を使用して実行され、2016年に Apache Incubator プロジェクトとなり、2019年には Apache Software Foundation のトップレベルプロジェクトとなったため、現在は『Apache Airflow』と呼ばれている。
  • Luigi は、複数のパイプラインを管理するための複雑なワークフロー、バッチジョブ、可視化の処理のためにデザインされた Python パッケージまたはモジュールであり、そのパイプラインは、Apache Hiveなどのツールでデータ分析ができるように、データを単一のデスティネーションに照合してくれる。

また、Airflow と Luigi は機能は若干違いますが、以下のように多くの特徴が共通しています:

  • Python を使う
  • 有向グラフには単独のノードを使う
  • データ構造標準を使う
  • ユーザーがタスク、コマンド、データフローの条件付きパスを確定できる
  • データパイプラインを視覚化できる。
  • オープンソースであり、デベロッパーは自由に利用できる

では、Airflow と Luigi の違いを深く掘り下げてみましょう。

ユーザビリティ(使いやすさ)

Airflow と Luigi には、ユーザビリティにおいて長所と短所があります。例えば、Airflow にはカレンダーのスケジューリングがなく、代わりに中央のスケジューラでタスクがスケジュールされますが、ユーザーはスケジューラ機能を使って好きな時にタスクを独立して実行することができます。対する Luigi には「中央スケジューラ」と「カスタムカレンダースケジュール機能」があり、それによってユーザーは多くの柔軟性を得られます。これは Luigi に有利な点とも言えますね。

Luigi の API はライバルの API に比べ非常にシンプルであるため、新規ユーザーは扱いに苦労するかもしれず 、それによって彼らにとっては Luigi は直感的なものでなくなります。Airflow の方がタスクログやコード実行、その他のデータを見るのがずっと簡単であり、さらに、過去のタスクを「再実行」するのは驚くほど簡単です。Luigi にもこのようなものがすべてありますが、それを見つけるにはもっと深く掘り下げないといけません。ただし、一度 API に慣れてしまえば、非常に複雑な依存関係を難なく作ることができます。

次に、DAG(有向非巡回グラフ)について見ていきましょう: Airflowは、パイプライン実行前に DAG のタスクを複数見ることができますが、Luigi ではできません。悪いデータがエコシステムに入るのを防ぐために DAG に依存している企業にとって、これは重要な違いですね。

基本的に、Luigi では、対応するタスクの中でどんなコードが実行されているかは、プロセスのずっと後になってみないとわかりません。

独自のパイプラインのコーディングに大変な思いをしていませんか?Integrate.io のローコード環境なら、複数のビジネス SaaS やその他のサービスとの統合を簡単に作成できます。

スケーラビリティ(拡張性)

Airflow にはスケジューラ機能があるため、ユーザーはタスクをクーロン(CRON)から離すことができ、それによってスケーリングがしやすくなります。一方、Luigi だと、ユーザーはタスクを様々なサブパイプラインに分割しなければならず、これが長く手間のかかるプロセスであることから、同じようなスケーラビリティの利点はありません。そして Luigi には、パイプラインを再実行する方法もありません。

また、Luigi には、スケーラビリティについて主に以下の2つの問題があります:

  • タスク が クーロンの ジョブと密接に結合しているため、スケーラビリティが難しい。
  • ジョブで動作する クーロンの ワーカーの数によって、ワーカープロセスの数が制限される。

このような問題は、ビジネス全てに影響するわけではないかもしれませんが、多くの企業が Luigi のスケーラビリティに課題を感じるでしょう。そこで、必要な時に必要なだけ簡単にスケールアップ、スケールダウンできる統合プラットフォームについては、 Integrate.io にぜひご相談ください。

人気

最もよく使われている ETL ツールが常にベストであるとは限りませんが、人気のあるワークフローツールには大きなコミュニティがあることから、チュートリアルや GitHub レポジトリなどの ユーザーサポート 機能へアクセスしやすくなっています。

Airflow も Luigi も、長年にわたって忠実なユーザーベースを築き、以下のように、評判の高いワークフローツールとしての地位を確立してきました:

  • Airflow:2014年に Airbnb によって作られた 
  •  Luigi:2012年に Spotify によって作られた

ちなみに、Airflow にはもっと大きなコミュニティがあり、ユーザーはサービスレベル契約、トリガールール、その他の特典を開発していますが、それは Luigi にはありません。

また、両者は以下のような数ある有名企業で使用されています:

  • Robinhood、Square、9GAG、Walmart では Airflow が使われている。
  • Stripe、Giphy、Tapingo、Foursquare では Luigi が使われている。

料金設定

ありがたいことに、Airflow と Luigi は両者ともオープンソースを使用しており、完全無料ということになりますが、注意点もいくつかあります。

Airflow や Luigi のようなオープンソースのワークフローツールは、商用(またはプロプライエタリ)ツールの低コストな代替品ですが、その多くは拡張性と性能に問題があり、それが合わないというビジネスもあるでしょう。既に述べたように、Luigi には多くのビジネスがワークフロー管理に必要とする「スケーラビリティ機能」がありませんが、Luigi を使う際に複数のタスクを実行し始めるまでその限界に気づかない可能性があり、その時点で気付くのが遅すぎたということになりかねません。

もう一つの例は、Airflow にはカレンダースケジューリングがない点です。これは全ビジネスに影響するわけではありませんが、自動化への取り組みの妨げになる可能性があります。さらに、Airflow と Luigi の両方で可視化はかなり限られています。

なので多くの場合は、Integrate.io のような業界を先行く ETL プラットフォームにお金をかけるのは、投資価値が存分にあります。

レビュー

ここでは、ユーザーが両者のプラットフォームについてどのように考えているのか、またビジネスデータの統合にどの程度有効なのかに注目してみましょう。

Airflow のレビュー

Airflow は、35件のカスタマーレビュー(2022年4月時点)に基づき、人気テクノロジーレビューサイトである「G2」で5つ星中平均4.3の評価を得ています。

データサイエンス・エンジニアのニキータ・K 氏 は、Apache Airflow について次のように言っています:

ETL とデータエンジニアリングに携わる人にとって、これはとても便利なツールです。

Airflow のレビューの大半は、おおむね好意的ですが、以下のような批評もあります:

  • プログラミング言語である Python の知識が必要
  • ドラッグ&ドロップ機能がない
  • テンプレートオプションの不足
  • 「バグだらけ」の UI(ユーザーインターフェース)

ある中堅企業のデータアナリストは、以下のように評しています:

最大の課題のひとつは、学習曲線が少し深く、機能の一部が...わかりにくいことです…そして一度パイプラインを導入してしまうと、変更は難しいです」。

Luigi のレビュー

残念ながら、G2 に Luigi のレビューはありませんが、様々なプラットフォームを多数評価する Web サイトの Predictive Analytics Today のレビューとAirflowを比較することができます。

Luigi の平均ユーザー評価は10点満点中7.9点であり、このスコアは過去2年間で落ちています。これは、Integrate.io のような、より優れた包括的なデータ統合プラットフォームが市場にあるということが考えられますね。

また、 Predictive Analytics Today には、「Luigi はワークフロー管理の多くを引き受けてくれるので、ユーザーはタスクそのものとその依存関係に集中することができます」とあります。

以下も注目すべきですね:

  • Luigi のユーザーの「使いやすさ」は10点満点中6.7点にとどまった。
  • 「特徴と機能性」ではわずか7.3点と評価された。

なので、ビジネスデータのニーズを考慮し、Integrate.io のような機能豊富な ETL プラットフォームを選択しましょう。このプラットフォームだと、ローコードで学習曲線が浅く、豊富なリソースをすぐに利用できますからね。

Airflow と Luigi と Integrate.io 

機能、価格、カスタマーレビューを比較した結果、Airflow のほうが Luigi よりいいように思われますが、このような定評のあるツールは、両者ともコーディング経験が豊富なデータエンジニアやアナリストにとって有用です。もちろん、どちらにも限界があり、Airflow も Luigi も、無制限のスケーラビリティや柔軟なスケジューリングなど、企業が頻繁に必要とするワークフロー管理機能がすべて提供されるわけではありません。

より多くのものが提供される ETL ソリューションへの投資を検討しましょう。Integrate.io は新しいデータ統合、ETL、ELT プラットフォームで、ワークフローに比類のないインサイトをもたらし、Snowflake や Hadoop のようなデータセットレポジトリのようなデータレイクやクラウドデータウェアハウスへのデータパイプラインを、直感的なローコード環境で、さまざまなユースケース向けにサッと構築できます。また、インテリジェントな API 管理により、データソース全てに確実にアクセスでき、自動化によって、過去のデータを常にリロードすることなく、迅速かつリアルタイムのCDC(変更データキャプチャ)が実現します。

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