API(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)は、企業が市場の変化にリアルタイムで対応するのに必要な俊敏性の鍵を握ります。DX(デジタルトランスフォーメーション)はもはや選択肢ではなく、デジタルエコノミーで競争するには、APIが企業にとって必須なのです。本記事では、APIの仕組みやメリット、そして最も一般的なAPIの使い方をビジネス戦略に取り入れるためのヒントをご紹介します。

顧客を忠実な顧客に変えるには、ビジネス戦略としてテクノロジーを活用することに鋭く焦点を当てる必要があります。そしてその戦略の中心となるのがAPIです。

APIとは、2つのソフトウェアコンポーネント(エンドポイント)が互いに会話するための一連のルールに従ったソフトウェアの仲介者または仲立ちのことであり、Java、Javascript、Pythonなどのプログラミング言語やオペレーティングシステムに関係なく、システムの通信を可能にします。デベロッパーは、複数のバックエンドシステムからの情報を統合することで、より効率的なWebアプリケーションのユーザーインターフェースを作成することができるようになります。APIは、イノベーションの触媒として機能し、モバイルアプリケーション、Webサイト、社内システム、パートナーシステムからデータを収集するのです。以下に、APIの実例と最も一般的な使用例をいくつか挙げてみましょう:

  • Google Maps API
  • Twitter APIなどのSNS API
  • Paypal API
  • AWS(Amazon ウェブ サービス)
  • 組織内のデータサイロを統合するための内部API

APIを使用することで、企業は情報を分析し、価値をもたらす新たな利用方法を見出せるようになります。API主導のビジネスモデルとは、ビジネス戦略を推進するためにAPIエコシステムに投資し、それを利用するということです。

ビジネスのアジリティ

市場の変化に迅速に対応する能力は、ビジネスのアジリティを示す指標になり、アジリティが最も高い企業は、イノベーションを起こす好機を掴みます。デジタル時代にビジネスを行うには、顧客とビジネスパートナーがかつてないレベルで相互に繋がることが必要であり、APIの使用は、多くの利点を持つ最も一般的な使用方法の1つになります。

  • より速くより良い意思決定 : APIの統合により、企業はデータサイロから既存のレポートツールに情報を統合することができます。これにより、リーダーはより包括的なデータセットに基づき、最適な行動を取りやすくなります。
  • レガシー(旧式)のモダナイゼーション:企業は、モノリスをマイクロサービスやウェブサービスにリファクタリングするDXプログラムに取り組んでおり、これは、このようなレガシーシステムのアップグレードの成功には重要なAPIの一般的な使用方法の1つになります。

B2B統合を促すAPIの一般的な使用方法

B2B統合は、増加傾向にあるAPIの一般的な用途の1つです。Gartner社によると、2023年までに B2B トランザクションの 50% 以上が、従来のアプローチではなくリアルタイムの API呼び出しによって実行されるようになるとのことです。B2B(企業間)統合とは、2つ以上の企業間のビジネスプロセスやコミュニケーションを自動化することであり、主要なビジネスプロセスを自動化することで、パブリックAPIを通じて、顧客、サプライヤー、ビジネスパートナーとより効果的にコミュニケーションをとることができるようになります。

デジタル化は、パートナーや顧客の期待を押し上げていますが、企業は、デジタルでつながった世界では、既存の情報処理の方法は持続不可能であるこがわかっています。そして、すべてのビジネスは、パートナーとファイルやメッセージを交換するためのシステムやアプリケーションを独自に組み合わせており、このようにさまざまな技術が混在しているため、コミュニケーションをとることが難しくなっています。

B2B戦略にパートナーAPIを織り込むことで、新しいデジタルビジネスと情報交換のリアルタイムパターンを可能にし、社内で「API優先」のデザイン原則を推進するためのステップも踏んでいることになります。さらに、次のような利点もあります:

  • 即時の情報伝達:DXのためにAPIを使用する利点の1つは、即時の情報伝達です。企業はもはやバッチ処理に依存する必要はなく、代わりに、APIリクエストを行うことで最新の情報を入手することができます。
  • より速いデプロイ: ソフトウェア開発のスピードアップもまた、APIの最も一般的な用途の1つです。デベロッパーは、同じことを一からやり直す必要がなく、APIを使って既存のシステムにアクセスして必要な情報を得ることができるので、時間の節約になります。
  • より簡単なオンボーディング: 今日のビジネス環境では、パートナー間で効率的かつ迅速な情報交換が求められていますが、技術的な差異があるため、それは難しいかもしれません。レガシーテクノロジーを使用する企業もあれば、クラウドに情報を保存する企業もありますが、基盤となる技術に関係なく、企業がシステムを統合することを可能にすることもAPIの一般的な使用方法の1つです。これにより、パートナーとの統合のセットアップがより速く簡単に行えるようになります。この種の統合では、企業は外部APIに接続し、認証を行い、安全に情報を交換することができます。

CX(カスタマーエクスペリエンス)の向上

IDC(International Data Corporation)によると、2020年には64ZB(ゼタバイト)以上のデータが作成され、この数字は2025年まで23%の割合で増加すると予測されています。しかし、データの増加が必ずしも洞察力や有用性につながるとは限りません。データサイロ、独自システム、システムの複雑さなどがシームレスなCXの実現の妨げになっているのです。

顧客はあらゆるビジネスの基盤であり、CXを向上させることは、企業の存続に不可欠です。顧客データは、組織内のさまざまなシステムで管理されている場合があり、シームレスなオムニチャネル体験の提供には別々のシステムからのデータ統合が必要ですが、強力なAPIエコノミーがこの戦略を可能にします。

このような課題の克服には、企業にはデータをより効果的に管理する方法が必要です。そのためには、データの取り込みから分析、レポーティングに至るまで、一貫してデータを整理するための戦略が必要であり、それには情報のサイロ化を解消する方法を見つけなければなりません。そこで、その鍵となるのがAPIです。APIは、場所を問わずデータにアクセスできるようにするものであり、これにより、チームは意思決定に必要な関連性の高い有益な情報を集めることができます。

部門を超えた複数のハンドオフの必要性を減らすこともAPIの最も一般的な用途の1つです。APIを介して情報が共有されれば、やり取りする回数を減らすことができ、これによってエラーが減り、自動化によって顧客とのやり取りがより効率的になります。

顧客の好みや行動に関するデータが集まれば集まるほど、より個別化されたエクスペリエンスが可能になります。例えば、顧客がサイトを離れて別の場所で何かを検索している場合、APIを使用して同じ機能を提供することができ、これにより顧客の時間が節約され、シームレスなエクスペリエンスを提供することができます。また、商品を発送する必要がある場合、どの配送サービスが最も安い料金で利用できるかを特定することができ、そうすることで、顧客が喜ぶ価値の提供ができるのです。

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