企業で生成されるデータ量が爆発的に増加し続ける中、効率的でスケーラブルなETL(抽出、変換、格納)プロセスは、そういったデータを管理・分析する上で欠かせないものになってきています。

Google BigQuery は、超高速の SQL クエリとデータ分析のために設計された、フルマネージドのサーバーレスデータウェアハウスですが、BigQuery で ETL プロセスを管理するのは複雑で時間がかかることがあります。そこで ETLツールの出番です。

企業は、ETL ツールを使って さまざまなソースからデータを効率的に抽出、変換、格納し、それを分析のために BigQuery に送信します。

以下は、Google BigQuery の ETL ツールについて押さえておくべき主なポイントです:

  • Google BigQuery は、データの管理・分析をサポートするフルマネージド型のデータウェアハウスとして広く使われている。
  • ETL ツールは、BigQuery によるデータ統合を効率化する上で不可欠であり、それによって、ユーザーは複数のソースから効率的にデータを抽出、変換、格納できるようになる。
  • ETL ツールは多種多様であり、それぞれにユニークな機能が備わっているため、組織の特定のニーズに基づいて適切なツールを評価し、選択することが非常に重要である。
  • 価格とサポートは、それが投資の全体的な価値に影響を与える可能性があることから、ETL ツールを選択する際の重要なポイントである。
  • その他の注目すべき大きな特徴として、ユーザーに優しいインターフェースや直感的なデザインなど、データ統合のプロセスをシンプルにできる点などが挙げられる。

本記事では、データ処理と分析のワークフローを効率化できる Google BigQuery 向けの ETLツール10選をご紹介します。各ツールの主な特徴や料金プランなどをご紹介しますので、自分に合ったツールを選ぶ際の参考にしてください。

目次

    1. Integrate.io
    2. Talend
    3. Google Datastream
    4. Hevo Data
    5. Apache Airflow
    6. Apache Spark
    7. Apache Nifi
    8. IBM DataStage
    9. Google Cloud Data Fusion
    10. Fivetran

Google BigQuery とは

Google BigQuery は、Google が GCP(Google クラウドプラットフォーム)の一部として提供するサーバーレスデータウェアハウスであり、大規模なデータセットに対する超高速の SQL クエリの実現や、企業や組織へのリアルタイムのインサイトと分析の提供のために設計されたものです。

BigQuery は中央レポジトリとして、複数のソースからの構造化・半構造化データを保存・管理します。

また、Google Cloud のML(機械学習)サービスとシームレスに統合することができ、この機能によって、企業はデータに基づいて ML モデルを構築、訓練、デプロイすることができるようになります。

さらに、データアナリスト、データサイエンティスト、ビジネスアナリスト、デベロッパーに利用されており、そのサービスは金融、ヘルスケア、小売、ゲームなど、さまざまな業界の組織に提供されています。

ETL ツールが必要な理由

データインジェストには ETL(抽出、変換、格納)が不可欠であり、企業は ETL ツールを使って、複数のソースから Google BigQuery にデータを統合、クレンジング、構造化するプロセスを効率化します。

このようなツールは、Google BigQuery で使うデータの効率的な管理や準備のための重要な役割を果たし、それが以下のことをサポートしています:

  • データの統合、変換、格納:組織は、よくデータベース、API、ファイル、サードパーティのアプリケーションなど、さまざまなソースからデータを集めることがあるが、ETL ツールで、そのような多様なデータソースの BigQuery へのシームレスな統合や変換がしやすくなり、データの一貫性と正確性が確実に維持される。
  • 時間やリソースの節約:ETLツールの自動化機能によって、データエンジニアやデータアナリスト、その他のステークホルダーの時間と労力は大幅に削減される。
  • スケーラビリティ(拡張性):ETL ツールは、増加するデータ量と複雑さに対応できるように設計されていることから、データニーズが高まる組織にとって優秀なソリューションとなる。
  • データリネージ(データ系列)と監査可能性::ETL ツールには、データの系統の追跡や、変換の履歴の管理をする機能が備わっていることが多く、それによってコンプライアンスの保証のためのデータ処理のステップの監査がしやすくなる。

Google BigQuery の ETL ツールの主な機能

Google BigQuery で使う ETL ツールを選ぶ際には、必ず以下の主要な機能に注目しましょう:

  • 使いやすさ:最高の ETL ツールには、コードベースおよびノーコード/ローコードの ETL パイプライン開発をサポートする直感的な UI(ユーザーインターフェース)が備わっている。
  • 接続性と統合性:選択する ETL ツールには、自身の全データソースへのコネクタが内蔵されてないといけない。
  • データ変換機能:ツールにはデータマッピングと変換機能が内蔵され、スキーマの変更とデータタイプの変換に対応できないといけない。
  • 拡張性と性能:データ量や処理の必要性に応じて、簡単にスケールアップやスケールダウンを行うことができるべきである。
  • セキュリティとコンプライアンス:選択するツールは、GDPR(EU一般データ保護規則)、HIPA(医療保険の相互運用性と説明責任に関する法律)、CCPA(カリフォルニア州消費者プライバシー法)などの業界固有の規制やデータプライバシー基準に準拠しているべきである。

Google BigQuery の ETL ツール10選

今回は、機能、使いやすさ、拡張性、Google BigQuery との互換性などを考慮して、以下の ETLツール 10種を選びました。

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1.Integrate.io

G2 の評価:5つ星中4.3

主な機能

  • ETL およびリバース ETL:ノーコードETL および リバースETLの機能があり、それによってデータ統合がシンプルになる。
  • ELT および CDCELT(抽出、格納、変換)とCDC(変更データキャプチャ)の機能により、高速なデータレプリケーションが実現する。実際、データの統一は60秒ごとに行われるため、リアルタイムでの更新を把握できる。
  • データの観測可能性::自動化されたカスタムアラート機能により、データの変更に関する最新情報を常に確認することができる。アラートの種類には、NULL、カウント、カーディナリティなどがある。
  • 使いやすさ:ユーザーに優しいドラッグ&ドロップ式のインターフェースがあり、それによってユーザーは、豊富な技術知識やコーディングの専門知識がなくても、データパイプラインの作成、管理、監視を簡単に行うことができる。
  • 拡張性と性能:Integrate.io は、大量のデータと複雑なデータ処理のタスクへの対応や、効率的で信頼性の高いデータ抽出、変換、格納の実現のために構築されており、クラウドベースのインフラは、データニーズの増大に対応するために自動的に拡張される。
  • 高度なデータ変換機能:内蔵された強固なデータ変換機能のセットがあり、それによってユーザーは、分析のためにデータをクレンジング、強化、準備することができる。

Integrate.io は、あらゆる組織のデータ取り込みプロセスを効率化するために設計された、強力なクラウドベースの ETL およびデータパイプラインのプラットフォームです。ユーザーに優しいドラッグ&ドロップ式のインターフェースにより、1行のコードも書かずに誰でもデータパイプラインを構築およびデプロイすることができます。

また、このプラットフォームには何百ものコネクタが内蔵されていることから、あらゆるソースからデータをサッと抽出および変換して Google BigQuery に格納することができます。

さらに、Integrate.io は最速のデータレプリケーションが提供されており、それによって データは 、ELT と CDC によって60秒ごとに全て統一されます。

ELT と CDC の料金プランは、月額わずか159ドルから(年額払いの場合)で、全プランに、無制限のコネクタ、無料の初期同期、VPNトンネルなどの機能が含まれています。

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2.Talend

G2 の評価:5つ星中4.0

主な機能

  • データ品質管理:データのプロファイリング、クレンジング、エンリッチメントのためのツールがあり、それによってユーザーは、ターゲットシステムに格納する前にデータの品質と一貫性を上げることができる。
  • ビッグデータとクラウドの統合:Talend は、Hadoop や Spark などのビッグデータフレームワークや、AWS、Google BigQuery、Azureなどのクラウドプラットフォームで動作するように設計されている。

Talend は、データパイプラインの作成、管理、最適化を効率化するために設計された、汎用性の高いオープンソースの ETL およびデータ統合のプラットフォームです。

Google BigQuery と連携する場合、Talend の ETL 機能によってさまざまなソースからのデータを BigQuery のデータウェアハウスにシームレスに統合することができます。

また、Talend には、「Talend Open Studio」という無料のオープンソース版があり、ETL の中心的な機能が提供されますが、それには有料プランで利用できる高度な機能やサポートサービスの一部はありません。

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3.Google Datastream

G2 の評価:5つ星中4.1

主な機能

  • シームレスな ELT パイプライン:シームレスな ETL パイプラインを設定することでローレイテンシー(レスポンスが早い)のデータレプリケーションが実現され、それによって BigQuery でほぼリアルタイムのインサイトが可能になる。
  • 包括的な Google Cloud の統合:Datastream は Google Cloud のデータサービスポートフォリオの一部であることから、BigQuery とのシームレスな統合が実現する。

Datastream(旧 Alooma)は、ELT パイプラインのシームレスなセットアップ、サーバーレスアーキテクチャ、Google Cloudのデータサービスポートフォリオとの包括的な統合により、様々なデータソースと BigQuery の接続プロセスをシンプルにしてくれます。

Datastream のコストは、処理されたGB(ギガバイト)に基づいていますが、Datastream のコストについては、営業チームからカスタム見積もりを依頼するのが一番わかりやすくて手っ取り早いです。

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4.Hevo Data

G2 の評価:5つ星中4.3

主な機能

  • 内蔵された統合機能:一般的なデータソースに対応した豊富なコネクタが内蔵されている。
  • スキーマ管理:Hevo Data の自動スキーマ検出・処理機能で、ユーザーはスキーマ変更やデータ型変換の管理ができる。

Hevo Data は、企業が ETL プロセスを最適化し、Google BigQuery とシームレスに接続できるように設計されたクラウドベースのデータ統合プラットフォームです。

また、多くのデータソースに対応することで、ユーザーはデータパイプラインを迅速に設定することができ、ソースデータや API が変更された場合でも手動で整備する必要がありません。

料金体系は、月100万イベントまで無料で利用でき、その後は500万イベントで月額239ドルからの料金プランとなります。

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5.Apache Airflow

G2 の評価:5つ星中4.3

主な機能

  • 純粋な Python:ユーザーは Python の標準的な機能を使ってワークフローを作成できる。
  • 強固な統合:Google BigQuery との統合がしやすくなる、プラグアンドプレイ(差し込んで使う)オペレータが多数備わっている。

Apache Airflow は、複雑なデータワークフローのオーケストレーションや ETLプロセスの管理のために設計された、無料のオープンソースプラットフォームであり、ユーザーは Python を使った動的で柔軟なワークフローの作成や、データパイプラインの完全な制御の維持ができます。

ユーザーは、さらなる分析やレポーティングのための、さまざまなデータソースの接続、必要に応じたデータ変換およびクレンジング、処理済データの BigQuery への格納が、このプラットフォームの内蔵オペレータによってしやすくなります。

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6.Apache Spark

G2 の評価:5つ星中4.0

主な機能

  • 拡張性とフォールトトレランス:Spark は分散型アーキテクチャを採用しているため、複数のノードで大量のデータを処理し、水平方向に拡張できる。
  • 複数のプログラミング言語への対応:Python、Scala、Java、Rなど、さまざまなプログラミング言語に対応。

企業は Apache Spark を無償で活用することで、データソースを BigQuery に効率的に接続し、大量のデータを処理することができます。また、 Apache Sparkは独自のインメモリ処理、分散アーキテクチャ、複数のプログラミング言語への対応などが特徴です。

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7. Apache NiFi

G2 の評価:5つ星中4.2

主な機能

  • ブラウザーベースの UI:データのルーティングと変換の管理や可視化が簡単になる。
  • データの出所追跡:情報の最初から最後までの完全なリネージを提供し、それによってデータのトレーサビリティ(追跡可能性)、説明責任、監査可能性が保証される。

Apache NiFi は、無料のオープンソースのデータ統合・管理プラットフォームであり、企業 が ETL プロセスを自動化し、Google BigQuery のデータインジェストを効率化するための包括的な機能を提供します。

また、Apache NiFi は、ユーザーはデータフローの設計、制御、監視が簡単にでき、それによって様々なソースからをデータ抽出し、それを必要に応じて変換し、そのデータを BigQuery へ格納するプロセスがシンプルになります。

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8.IBM DataStage

G2 の評価:5つ星中4.0

主な機能

  • 拡張性と性能:DataStage の並列処理アーキテクチャで、企業は大量のデータをサッと効率的に処理できるようになる。
  • メタデータ管理:強固なメタデータ管理機能があることから、データの正確性、一貫性、およびデータガバナンスポリシーへの準拠が保証される。

IBM DataStage は、組織が様々なソースからデータを収集、処理し、Google BigQuery などのターゲット・システムに格納できるように設計された、強力なETL およびデータ統合プラットフォームです。

価格は、フルマネージドの IBM の「サービスとしての DataStage」の製品の場合、CUH(Capacity Unit-Hour)あたり1.75ドルからです。その他のオプションについては、営業部門にお問い合わせの上、カスタム見積もりを行ってください。

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9.Google Cloud Data Fusion

G2 の評価:5つ星中5.0

主な機能

  • ノーコードUI:データパイプライン作成のプロセスをシンプルにする、ユーザーに優しくコード不要のビジュアルインターフェースを提供する。
  • 事前設定された150以上のプラグイン:150以上の内蔵コネクタと変換を提供する。

Google Cloud Data Fusionは、ETL パイプラインの構築、デプロイ、管理のプロセスをシンプルにする、フルマネージド型のクラウドネイティブデータ統合サービスです。

新規顧客には、Data Fusion に使用できる300ドル分のクレジットが無料で支給されます。また、全顧客に1アカウントにつき月々120時間のパイプライン開発が無料で提供され、クレジットには請求されません。そしてその後は、使用量に応じて費用が発生します。

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10. Fivetran

G2 の評価:5つ星中4.2

主な機能

  • スキーマの自動管理:ソースシステムのスキーマ変更を自動的に検出し、それに応じてBigQuery のデスティネーションスキーマを調整する。
  • データ変換機能:データの正規化やデータエンリッチメントなどのデータ変換機能が内蔵されている。

Fivetran は、企業のデータソース接続を可能にするフルマネージドのクラウドベースのデータ統合プラットフォームであり、その使いやすさ、幅広い接続性、費用対効果の高い価格体系により、ETL プロセスの自動化や BigQuery へのデータ送信を検討している企業の間で広く使われています。

Fivetran では、データ量に応じて様々な料金プランが用意されています。例えば、Freeプランでは、ほとんどの ETL 機能へのアクセスが可能ですが、月間アクティブ行数(MAR)は 500,000行までしかカバーされません。

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Integrate.io は、Google BigQuery によるデータ統合のプロセスを効率化かつシンプルにするために設計された、パワフルでユーザーに優しい ETL プラットフォームです。

また、このプラットフォームは技術系ユーザーと非技術系ユーザーの両方のニーズを満たすように調整されていることから、企業は複雑な設定に時間をとられるよりも、データから価値あるインサイトを導き出すことに集中することができるようになります。

早速こちらからデモをご予約いただき、Integrate.io がどのようにデータ統合と分析機能に革命をもたらすかぜひご覧ください。

Google BigQueryのよくある質問

Q. Google BigQuery は ETLツールですか?

A. BigQuery は、大規模なデータセットに対して超高速なSQLクエリを実現する Google Cloud Platform よって提供される、フルマネージド型のサーバーレスデータウェアハウスサービスです。
BigQuery は、SQL を使って一部のデータ変換を実行できますが、専用の ETL ツールではありません。

Q. どの ETL ツールが最適ですか?

A. ETLツールに関しては、ツールによってさまざまなユースケースや業種に対応した独自の機能を備えていることから、万能のソリューションはありません。なので、自身のニーズと要件に適合するものが「最適なツール」です。

Q. ETLツールはどうやって選べばいいですか?

A. まずは、ETL ツールに何を求めているかをかを決めましょう。例えば、Google BigQuery を使うのであれば、ウェアハウスサービスとシームレスに統合できるツールが必要です。

次に、使いやすさ、拡張性、内蔵されたコネクタや統合機能など、各 ETL ツールの機能と性能を評価します。そして最後に、費用対効果やカスタマーサポートの充実度についても必ず検討しましょう。