AWS RedshiftとRDSは、AWSが提供する2つの異なるデータベース製品です。どちらが自分に適しているのか判断するのは、なかなかの難題です。本記事では、2つの製品の違いをご説明し、どちらがあなたのニーズに合っているのかを判断するお手伝いをします。また、それぞれの製品を利用する際にかかるコストもご紹介しますので、両者を比較し吟味してみてください。

目次

  1. AWS Redshiftとは
  2. AWS Redshiftのメリット
  3. RDSとは
  4. RDSのメリット
  5. AWS RedshiftとRDSの決定的な違い
  6. RDSよりもAWS Redshiftを使うべき時
  7. Integrate.ioがお手伝いできること

AWS Redshift とは

AWS Redshiftは、AWS(Amazon web services)クラウド上でホストされる、フルマネージド型のペタバイト規模のデータウェアハウスサービスであり、Amazon Redshift Spectrumと呼ばれるSQLのようなインターフェースを使用して、大規模なデータセットに対して、早く簡単にクエリを実行するのに必要なリソースをユーザーに提供します。AWS Redshiftを利用するには、PostgreSQLなどのリレーショナルデータベースのソフトやamazon rdsの実行経験が必要です。

AWS Redshift のメリット

AWS Redshiftの最大のメリットは、フルマネージドであることです。つまり、データウェアハウスのセットアップ、スケーリング、パッチ適用、メンテナンスについて心配する必要はなく、こういった作業はAmazonのエンジニアがすべてやってくれるのです。

AWS Redshiftは列指向ストレージ技術により、他の類似サービスよりも、大きなデータセットをより効率よく計算することができます。列指向データベースは、行単位ではなく個々の列のデータをまとめて保存するため、データセットのクエリ実行時に無関係な行をより速く飛ばせます。これにより、データセットに対するクエリ実行時に、無関係な行をさっと飛ばして要求された情報のみを検索することができるようになるので、クエリ速度の最適化とストレージコストの削減が可能になります。

AWS Redshiftは、AWS GovCloud(米国)とAmazon Virtual Private Cloudの両方で利用できます。つまり、政府機関やコンプライアンス上の理由で特定の地理的境界内にデータを保持する必要がある企業でも利用できるのです。ただし、データベースが自動的にGDPRの要件に準拠するわけではない点には注意が必要です。

RDS とは

RDSは、AWSが提供するデータベースサービスで、リレーショナル・データベースをクラウド上で迅速に構築、管理、拡張できます。MySQL、Postgre SQL、SQL Server、MariaDB、Amazon Aurora、Oracleの6種類のデータベースエンジンがあり、ニーズに合わせて選べます。これらのオプションには、自動バックアップ、ポイントインタイムリカバリ、静止時のデータ暗号化、マルチAZ展開など、多くの高度な機能がついています。

RDS のメリット

RDSを利用する主要なメリットとして、セットアップ、管理、メンテナンスが簡単であることが挙げられます。その他にも、以下のようなメリットがあります。:

  • スケーラビリティ(拡張性):AWSマネジメントコンソールやAPIを数回クリックするだけで、ストレージの容量を素早く増減できる。
  • 自動バックアップ:RDSはデータベースのスナップショットを自動的に取得するため、万が一の事態にもデータの最新コピーを準備しておくことが可能。また、AWSマネジメントコンソールを使用して、この時点から復元することも可能。これにより、致命的な障害が発生した場合でも、データの復旧が簡単・可能。
  • 一般的なプログラミング言語への対応: Amazonのリレーショナル・データベース・サービスでは、ほとんどのエンジンが複数のプログラミング言語をサポートしており、最も使い慣れた言語で動作するため、異なるプラットフォームやフレームワークを使用しているデベロッパーでも、互換性の問題を心配することなく、迅速なデータベースの構築が可能。
  • 安全性:RDSのデータベースは暗号化されており、SSL接続を必要とするように設定することも可能。
  • 他のAWSサービスとのシームレスな連携:すでにAWSを利用している場合は、既存のクラウドインフラやツールの多くが、RDSで問題なく動作する可能性が高い。これは、新しいシステムを学んだり、すべてがどのように組み合わされているかを理解したりすることなく、アプリケーションの簡単な移行が可能ということであり、コンソールで設定をいくつか行うだけで、すぐに稼働させることができる。

AWS Redshift と RDS の決定的な違い

AWS RedshiftとRDSはどちらもクラウド上でリレーショナル・データベースを実行するシンプルな方法を提供しているため、何が違うのか気になるところですよね。両者は非常によく似たサービスですが、根本的な違いとして以下のようなものがあります。

  • 価格設定:どちらも使用量ごとの支払いが可能。RDSは比較的基本的な機能セットであるため、$0.17/時間と安価なオプションとなっており、小規模なチームや、データベースの世界に慣れておらず、あまり複雑なものを必要としない個人のデベロッパーに最適。もし初めてデータベースを使い始めたばかりの人なら、$0.25/時間で始まるRDSは素晴らしい選択肢ですが、必要なものが増えるにつれて、最終的にRedshiftがよりコスト効率の良いものになるまで、その価格も上昇する。
  • データウェアハウス:RDSは汎用のリレーショナル・データベースですが、Redshiftは大量のデータ処理と高速な分析クエリのサポートのためと、はっきり用途が定義されている。トランザクションのワークロードを管理するものを探しているのであれば、RDSで良いが、巨大なデータセットに対して複雑な分析を実行する方法がいる場合は、Redshiftの方が良い。
  • パフォーマンス:単純なクエリであれば、RDSはRedshiftよりもはるかに速く動きますが、数百万行に対する複雑なクエリを実行する場合は、Redshiftの方がはるかに速く動く。
  • スケーラビリティ(拡張性):両サービスとも数クリックでデータベースをスケールアップ可能ですが、Redshiftはペタバイト級のビッグデータを保持できるため、大企業の顧客にとっては理想的な選択肢となる。

RDS よりも AWS Redshift を使うべき時

AWS Redshiftは、とあるタスクにとっては最適な選択ではないかもしれません。例えば、データベースを始めたばかりの人なら、AWS RDSはその人のニーズを処理するのに十分すぎるほどであり、同時に費用をいくらか浮かせられます。また、データベースの規模がそれほど大きくなく、複雑でもない場合は、RDSの方が安価で保守も容易であるため、RDSが良いでしょう。

では、Redshiftを使うのがベストな時はいつでしょうか。エンタープライズグレードのクラウドプラットフォーム上に構築された強力なデータストレージソリューションが必要な時です。Redshiftはこの目的のために構築されたため、RDSよりも優れたパフォーマンスと拡張性(スケーラビリティ)があり、特に大規模なデータセットを扱う場合などの特定の状況においては、全く違ってきます。さらに、AWSにあるものと同じように、他のクラウドサービスとシームレスに動作するため、既存のインフラを移行するのも簡単です。

Integrate.ioがお手伝いできること

Redshiftはデータウェアハウスの強化のためのよくできたオプションですが、関連するすべての可動部品の設定や管理が複雑かもしれません。
そこで、Integrate.ioのようなETLパイプラインツールが役に立ちます。当社のクラウドベースのデータ統合プラットフォームは、自身のデータベースと、Redshiftを含む他のクラウドサービス間でデータを簡単に移動できるため、将来的な互換性の問題を心配する必要がありません。BI(ビジネスインテリジェンス)の取り組みを改善し、データインフラを補完するデータパイプライン・ソリューションをお探しでしたら、ぜひIntegrate.io プラットフォームの利用をご検討ください。Integrate.io は、クラウドベースの分析のためのデータ統合プラットフォームで、データベースと他のクラウドサービス間でデータを簡単に移動することができます。
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