これまでは、複数のデータソースを単独のデスティネーションに接続するには、コンピュータープログラマーやデータサイエンティストとしての豊富な経験が必要でしたが、今日のノーコードのデータパイプラインが、その視点を変えました。現在では、コーディングの経験がなくても、つまり実質誰でもデータ品質を損なうことなくデータ処理を効率化するためのノーコードのパイプラインを使うことができます。ただし、リアルタイムのデータフローを管理するには、適切な ETL および ELT ツールが必要です。
以下は、これから見ていくポイントです:
- ノーコードのデータパイプラインは、ユーザーがコードを書くことなく複数のソースからデスティネーションにデータを移動できるクラウドベースの機能である。
- ノーコードのデータパイプラインは、データエンジニア、マーケティング担当者、営業担当者など、誰でも使うことができる。
- クラウドベースの ETL ソリューションの採用には、市場投入までの時間短縮、コスト削減、データの民主化の改善などの利点がある。
- データ統合の効率化に広く使われている ETL プラットフォームには、Hevo Data、Talend、Integrate.io などがある。
- ノーコード/ローコードの ETLプラットフォームを選択する際には、データセキュリティのコンプライアンス、幅広いコネクタ、スケーラビリティ、ストレージオプション、データ変換の柔軟性などの要素をよく考えることが重要。
本記事では、ノーコード/ローコード ETL ソリューションの利点について見ていき、人気のオプションをいくつか検討して、適切なソリューションの選択におけるヒントについてお話します。クラウドベースの ETL ソリューションを採用することで、信頼性、安全性、コスト効率に優れたノーコードのデータパイプラインを速やかに導入することができますよ。
では、早速始めましょう!
目次
- ノーコードのデータパイプラインとは
- データ統合の効率化にノーコードのデータパイプラインを使う人
- ノーコードのデータパイプラインの利点
- データ統合の効率化に広く使われている ETL プラットフォーム
- ノーコードまたはローコードの ETL プラットフォームを選択する際のポイント
ノーコードのデータパイプラインとは
ノーコードのデータパイプラインは、クラウドベースの SaaS(サービスとしてのソフトウェア)プラットフォームに組み込まれた機能で、複数のソースから少なくとも1つのデスティネーションにデータを移動するように設計されています。そしてそれは、ユーザーがコードを書くことなく ETL パイプラインを構築できるドラッグ&ドロップ式のインターフェースがあることが多いです。
また、ETL(抽出、変換、格納)プロセスの一部では、データウェアハウスにデータを送信する前にデータを再フォーマットすることがよくあるため、パイプラインには、作業の大部分を自動化するデータ変換機能が含まれています。データが再フォーマットされて中央の場所に格納されると、ユーザーは BI(ビジネスインテリジェンス)ツールや他のアプリケーションに情報を追加し、データに隠された傾向を発見することができます。
「ローコード」と「ノーコード」のデータパイプラインは、その違いを認識することが重要です。ノーコードのデータパイプラインは、ユーザーにコーディングの知識を必要とせず、ローコードのパイプラインでは、特定のニーズに合わせてパイプラインやワークフローをカスタマイズすることができます。なので多くの ETL クラウドプラットフォームは、ノーコードとローコード機能を組み合わせることで、ユーザーの経験レベルやビジネスニーズに合った柔軟性を実現しています。
データ統合の効率化にノーコードのデータパイプラインを使う人
誰でもノーコードのデータパイプラインを使ってデータ統合を効率化できます。そして、一番よく使われている SaaS プラットフォームだと、データの抽出、移行、格納が簡単になるコネクタが数百も組み込まれています。
データエンジニアにさえ、ノーコードのデータパイプラインの恩恵がもたらされます。例えば、YouTube、Snapchat Ads、Yahoo Gemini のような広告ツールからソースデータを取り出し、Snowflake、Microsoft Azure Synapse Analytics、AWS Redshift のようなクラウドデータベースに再フォーマットされたデータを格納したいとします。データエンジニアが手作業でパイプラインを作成することもできますが、そうすると無駄に労力と時間がかかりますよね。そこで必要なコネクターが付いている ETL プラットフォームに頼れば、より効率的に作業できます。
もちろん、データ統合の効率化にノーコードのデータパイプラインを使う人の多くは、ゼロからパイプラインを構築する方法を知りませんし、マーケティングやセールスの専門家などはおそらくコードの書き方を知らないでしょう。それでも、将来のキャンペーンを確実に成功させるためのデータ駆動型のインサイトを得るにはデータ処理が必要なのです。
そこで、優れたノーコードの ETL ツールだと、新たなトレンドに対応するために新しいデータを自動的に追加することができるでしょう。
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ノーコードのデータパイプラインの利点
ノーコードのデータパイプラインを備えたデータ統合プラットフォームを採用するメリットには、次のようなものがあります:
- サイロ化の解消や、誰でも自分の作業に必要な情報にアクセスしやすくなるデータの民主化。
- 企業がデータサイエンティストだけに依存しないことによる、開発のコストダウン。(ちなみに、米国では、データサイエンティストの年収は大体10万1000ドル近くある。)
- 市場投入までの時間短縮による、競合他社より先行く製品や社内ツールのリリースの容易化。
- より多くの情報に基づいた意思決定のために、さまざまなソースから情報を収集できる信頼性の高いデータインジェスト。
- ML(機械学習)や自動化をデータスタックに加えることができるようにするための、ビッグデータを扱う機会の増加。
- 大量のデータを安全かつ効率的に処理するパイプラインの構築。
クラウドベースのノーコードのデータパイプラインを使えば、実質的に誰でもこのような作業などを行うことができます。プログラマーやデータ・エンジニアとしての経験は必要なく、プラットフォームがどのように機能するかがわかっていれば十分です。トレーニングをちょっとするだけで、複雑なデータ活用への道が開けるのです。
データ統合の効率化に広く使われている ETL プラットフォーム
ノーコードのデータパイプラインは、データ統合の効率化や、組織の競争力向上といった利点をもたらすことは明らかですが、ノーコードの ETL プラットフォームの中には、他よりも多くのメリットをもたらしてくれるものもあります。以下は、業界トップクラスのオプションです。
Integrate.io
Integrate.io は、クラウドベースのノーコードのデータパイプラインツールとして非常に人気があり、G2で185のレビューと星5つのうち4.3の評価を得ています。
肯定的なレビューでは、Integrate.io の機能を含め、期待される機能について以下のように言及されています:
- 誰でも簡単に効率的な ETL パイプラインを構築できる UI(ユーザーインターフェース)
- コーディングを必要としない ETL コンポーネント(ただし、ちょっとしたコーディングがあれば、ユーザーは特定のユースケース向けにパイプラインを最適化できる)
- リアルタイムでデータを移動させる極めて迅速なジョブ実行。
- 必要に応じてクラスタやノードを増減できるスケーラビリティ
他にも、Integrate.io から得られる利点は以下のようにあります:
- データをデスティネーションに格納した後に再フォーマットすることができる ELT(抽出、格納、変換)機能
- データセットに新しい情報を自動的に複製する CDC(変更データキャプチャ)機能
- ドキュメンテーションを自動化し、Integrate.io ライブラリでは利用できないデータ接続を作成するインスタントREST API 生成機能
- 情報を監視し、ニーズに基づいてカスタマイズされたアラートを送信する、会社全体におけるデータの可観測性と信頼性(ちなみに一般的なアラートタイプは、列のヌル値、統計的列の傾き、統計的列の分散、幾何平均を見る)。
- Redshift ウェアハウスの使用状況の把握、ダッシュボードパフォーマンスの最適化、データ価格の最適化、メールやダッシュボードを介したカスタム推奨事項の取得に役立つデータウェアハウスのインサイト
Talend
Talend は G2 の63件のレビューで星5つのうち4つを獲得しています。Integrate.io のノーコードのデータパイプラインツールほどの人気はありませんが、ユーザーに賞賛されている機能もあります。
Talend についての多くの好意的なレビューは 、以下のように言及されています:
- データ統合、アプリケーション統合、API 統合、データ整合性とガバナンスのコンビネーション
- コーディングや設定に何時間もかかることなく、特定のウェアハウス手法を簡単に導入できる社内ユーティリティ
- ビジネスアナリティクスから ML(機械学習)まで、すべてを動かすビッグデータ抽出のサポート
- エンドツーエンドのクラウド監視機能
Hevo Data
Hevo Data は、ETL、リバース ETL、ELT に対応しているオープンソースのノーコードの双方向パイプラインツールです。G2 では200人近いレビュアーにより星5つのうち4.3がつけられています。
以下のようなポジティブな特徴を挙げているユーザーもいます:
- SQL Server の CT(変更追跡) に対応
- 100以上のデータコネクタを含むライブラリ
- 利用可能な情報を即座にアップロードする自動データ識別機能
- 技術者でないユーザーがプラットフォームの使い方を学び、問題が発生したときにトラブルシューティングできるようサポートする優れたカスタマーサポート
- パイプラインマッピングをしやすくするビジュアルインターフェース
ノーコードまたはローコードの ETL プラットフォームを選択する際のポイント
ノーコードやローコードの ETL プラットフォームは数多く存在しますが、組織で使用するものを選択する前に、以下の機能を確認しましょう:
- GDPR(EU一般データ保護規則)、HIPAA(医療保険の携行性. と責任に関する法律)、その他のデータセキュリティコンプライアンス
- 従業員が使うツールやアプリを備えた大規模なコネクタ・ライブラリ
- SQL データベースや NoSQL データベースなど、さまざまなデータデスティネーションと連携するコネクタ
- データチームの進化するニーズに適応できる拡張性
- データをオンプレミスまたはクラウドに保存するオプション
- フォーマットされたデータを生データに変換する柔軟性
データ管理の改善に関してIntegrate.io ができること
Integrate.io には、ノーコードのデータパイプライン構築のための最も魅力的なオプションとなる機能が数多くあります。ユーザーに優しいインターフェースや膨大なコネクタライブラリ、強固なセキュリティに加えて、Integrate.io はベンダーロックインの原因となる契約を強制しません。もし別のプラットフォームがいいと思ったら、いつでも Integrate.io よりそちらをお選び頂けます。ただ、驚くようなことではないですが、Integrate.io だとユーザーは優れた ROI (投資収益率)を得ることができるため、そのようなことはめったに起こりません。
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