NetSuiteは、Oracleののエンタープライズソフトウェアのエコシステムの一部である、クラウド優先型のERP(企業資源計画)ソリューションであり、ユーザーは、会計・財務管理からCRM(顧客関係管理)、在庫管理まで幅広い機能を利用できます。

NetSuiteにデータをサイロ化しておくよりも、Salesforce や HubSpot などのマーケティングソフトウェアや専用のデータウェアハウスなど、他のシステムとワークフローで統合する方がはるかにスマートです。これにより、NetSuite から適切な情報を抽出し、専用の分析ソフトウェアを使って貴重なインサイトを掘り起こすことができます。

そもそも、NetSuite統合とはどのようなものなのでしょうか。また、NetSuiteとの統合はどんなメリットがあり、どのような仕組みになっているのでしょうか?本記事では、そういった疑問などについてお話します。


目次

NetSuite統合とは

NetSuite統合とは、NetSuiteソフトウェアのデプロイを他のシステムやデータベース、エンドポイントに接続することです。これにより、NetSuiteと環境内の他のアプリケーションの間で継続的に情報を流すことができます。

例えば、NetSuiteに新しいデータが入った場合、そのデータに依存している他のシステムで、手動で転送することなく、自動的に利用できるようにすることができます。統合は、【NetSuiteから他のソフトウェアへの流れのみ】の一方向、または【どちらかの方向に流れる】双方向のいずれかにすることができます。

関連記事What is Customer Data Ingestion?

統合プロジェクトは、特に NetSuite 統合の恩恵を受ける可能性のある新しいプラットフォームを購入する場合、事前に十分な計画を立てる必要があります。データ統合戦略を策定する際には、時間と費用を抑えるために、プラットフォームのコストと統合のコストの両方を考慮しましょう。

NetSuite統合の利点

企業向けソフトウェアとシステムがより密接に連携することは、いいことでしかありません。NetSuiteの統合には、以下のような利点があります:

  • より簡単な自動化:NetSuite と他の IT エコシステム間でデータやその他の IT リソースを共有することで、ビジネスプロセスの自動化が容易になります。
  • より高い精度:NetSuiteとの統合により、ユーザーは手動でコピーするのではなく、自動的にデータを転送することができます。これにより、ミスを減少、またはなくすことができ、 莫大な費用が削減されます。
  • より良いコミュニケーション:NetSuite の統合により、ビジネスとそのパートナー、ベンダー、および顧客との間のコミュニケーションがしやすくなります。統合することで、例えばeコマースビジネスだと、カタログ価格、商品の出荷、注文状況などの情報が素早く入ってきたり、また、ベンダーに対して注文の自動再入荷ルールを設定することもできます。
  • よりスムーズなビジネスプロセス:NetSuite の統合により、例えば、顧客が発注してからそれが手元に届くまでの追跡ができるなど、ビジネスプロセスをエンドツーエンドで見ることができます。
  • よりスマートな意思決定:NetSuiteの統合で、すべてのビジネス情報が一箇所に集まり、ビジネスの健全性がリアルタイムに把握され、その都度意思決定を行うことができるということで、ビジネスの意思決定プロセスが強化されます。これは、企業が競争に勝ち残るために不可欠なことです。

NetSuite統合の仕組み

NetSuiteとの統合の開始には、人によっては最初にNetSuiteのアカウントIDの作成が必要です。NetSuite ソフトウェアで【セットアップ】タブに行き、ドロップダウンメニューから【統合】 > 【ウェブサービス環境設定】をクリックしてください。ご不明な点がございましたら、NetSuiteの管理者がユーザーアクセスの設定と適切なパーミッションの付与をお手伝いします。

NetSuiteの統合には、【SuiteTalk Web Services】と【SuiteScript】の片方または両方のNetSuiteテクノロジーを使用する必要があるかもしれません。SuiteTalkは、NetSuiteとサードパーティのアプリケーションやシステムを結合するためのWebサービス統合ツールで、任意のプログラミング言語を使ったコーディングができます。SuiteTalkの利点は、リアルタイムのデータ統合、NetSuiteのERP、CRM、eコマース製品への組み込みサポート、高度なセキュリティとエラー処理機能などが挙げられます。

一方、SuiteScriptは、JavaScript上に構築されたNetSuiteプラットフォームで、ユーザーによるビジネスプロセスのカスタマイズや、自動化が可能になります。SuiteSciptがあれば、ユーザーはSuiteTalkに対して、いつデータを要求するか、どこからデータを呼び出すか、そしてデータがNetSuiteに届いた後にどうなるかを指示することができます。

もちろん、すべての組織がSuiteTalkとSuiteScriptに使いこなせるための時間や社内スタッフを使えるわけではないので、多くの企業は、NetSuite統合をより迅速に立ち上げて実行できるように、あらかじめ組み込まれたコネクタや統合プラットフォームを選択します(説明は後ほど)。

NetSuite統合の課題3つ

エンタープライズソフトウェアの他の製品と同じように、NetSuiteを統合する際にいくつかの課題に遭遇することは珍しくありません。以下は、NetSuite統合の最大の課題である3項目です。

1. NetSuiteの並行性ガバナンス

NetSuiteは、1ライセンスあたりの接続数を制限しており、一度に複数のNetSuite接続を実行している場合、エラーが発生することがあります。この問題の解決策としては、ソフトウェアライセンスの追加購入か、別の統合アーキテクチャの使用になります。

2. 比較的遅いデータ転送速度

NetSuite の転送速度が遅いため、データベースやシステム間のファイル転送に時間がかかり、意思決定プロセスに支障をきたす場合があります。特にこの問題は、比較的高速にデータを処理する大規模なデータベースに慣れている場合に当てはまります。

3. 規模が大きく複雑なAPI

NetSuite APIは、SOAPとRESTの両方のアーキテクチャを可能にし、多くの可能性を広げますが、それがこういった可能性のすべてがエンドユーザーにとって明確であり、有益であるというわけではありません。統合前、統合中、そして統合後も忍耐力を鍛え、技術レベルでNetSuiteを理解する努力をしましょう。

関連記事17 Best Data Integration Platforms

NetSuite統合を実行する3つの方法

これまで、NetSuite 統合とは何か、どのように機能するのか、また、どのような課題があるのかを説明してきましたが、では実際にどのようにNetSuiteの統合は行われるのでしょうか?どのようなアプローチを取るべきかは、IT予算、技術的専門知識のレベル(もしあれば)、NetSuiteに接続したいアプリケーションによって決定されるでしょう。

1. ゼロからの構築

NetSuiteの統合をゼロから書くには、API、SuiteScript、およびXMLに関するさまざまな深い技術的理解が求められるので、管理者が外部のデータソースやビジネスシステムと統合できるNetSuiteのプラットフォームである「SuiteCloud」を使うといいでしょう。

人材が豊富な場合、カスタム NetSuite統合は、将来的なサブスクリプションコストの削減のために魅力的なオプションとなる一方、定期的なソフトウェアメンテナンスのコストの負担が必要になります。

2. コネクタ探し

コネクタとは、NetSuiteと他のソフトウェアアプリケーションやシステムを統合するために作られたソフトウェアツールのことです。多くのコネクタは、SuiteApp.comのNetSuiteマーケットプレイス、または適切なNetSuiteパートナーとの連携で利用できます。

3. 統合プラットフォーム(iPaaS)を購入する

iPaaS(アイパース:Integration Platform as a Service)は、ユーザーがIT環境を接続し、統合を管理するためのSaaSアプリケーションです。単一のNetSuiteコネクタとは異なり、iPaaSソリューションは、複数の統合を構築するために使用することができ、ユースケースをいくつか持つことができます。

NetSuite 統合を実現する最も簡単な方法の 1 つは、NetSuite コネクタを持つデータ統合プラットフォームを探すことですが、すべてのNetSuiteコネクタが同じように動作するわけではありませんので、それなりの注意を払うのが重要です。Integrate.io は、ドラッグ&ドロップのインターフェースを使って、ユーザーが独自のカスタムデータパイプラインを簡単に構築できる ETL およびデータ統合プラットフォームであり、NetSuite を含む 140 以上のコネクターが内蔵されており、統合プロセスを可能な限り簡略化することができます。

まとめ

NetSuite の統合は、うまくいけば多くの利点がありますが、他の企業統合プロジェクトと同様に、それなりの課題も伴います。もし、自分で行うための技術的な専門知識がない場合は、Integrate.io のような成熟した機能豊富なデータ統合ツールの利用を検討が必要です。

Integrate.io は、強力な ETL およびデータ統合プラットフォームです。コード不要のドラッグ&ドロップ式のビジュアルインターフェースにより、知識レベルに関係なく誰でも強力で自動化されたデータパイプラインの構築が可能です。Integrate.ioには、NetSuite を含む 140 以上の内蔵されたコネクタと統合機能があり、このような技術的な問題をすべて処理することができます。

NetSuite と他のビジネスとの統合についてもっと知りになりたい方は、ぜひ当社のデータ専門家チームにお問い合わせいただき、自身のビジネスニーズや目的についてのお話や、Integrate.io プラットフォームの 7 日間のトライアルを始めてみてください。